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実験の失敗の要因についての考察① 3つの要因

『鉢ヶ崎1号窯・構築実験』 も終わりましたので、実験の失敗の要因について考えてみたいと思います。
実際は私一人で考えたというわけではなく、皆で話し合った上で考えられたことですが。
まあ、来年仕切り直す上で必要なことでしょう。

今回は、焼き締め作業中に窯の中央手前あたりの上部壁面が崩落してしまいました。
なぜ崩落してしまったか?
今のところ考えられる原因は3つ。
 ①形状
 ②材質
 ③方法
まあ、どれか1つだけってわけではないかもしれませんし、全部マズイって可能性もありますが、とりあえずこんな感じ。
次回からもう少し詳しく考察してみたいと思います。


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実験の失敗の要因についての考察② 形状

失敗の原因? ①形状

今回、窯は製材切端を窯型に積み上げそこに土を盛って作りました。
その上で、
 ●形状に無理があったのではないか?
 ●形成に失敗したのでは?
ということが考えられます。

●形状に無理
つまり、元々設計的に無理があったため形を維持できなかったのではないかということ。
まあ、そのへん力学的なことは私にはわかりませんが(笑)。

●形成に失敗
設計は良かったが、形成する上で歪んだり、壁の厚さが均一にならなかったりで維持できなかったのではないかということ。

私的には、形状に問題があるとしたら、設計に無理があった可能性よりは形成に失敗した可能性のほうが高いと思います。
基本、目分量とういか、だいたいというか、そんな感じで窯型も積みましたし、壁土も盛りましたので。
強い形は、窯上部がきれいなアーチ状になり、下部から段々と壁の厚さが薄くなってて、最上部が一番薄くなっている形状とこと。
今思うと、アーチの角度がちょっと足らなかった気がしなくもないですし、壁の厚さも微妙だった気がします。
特に私は壁を厚めに盛っちゃう傾向がありましたし、そういう面で無理があったかもしれません。

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実験の失敗の要因についての考察③ 材質

失敗の原因? ②材質

窯形成に使った材料に問題があったのではないかということ。
今回使用した材料は、粘土、砂、スサを混ぜたもの。
粘土は廃業した瓦工場に残っていた焼成前の瓦を水で戻して使いました。
具体的には、これら使用した材料のチョイス、配合の割合に問題があったのではないかということ。

実際、焼き締め作業中にかなりの量の剥落が見られました↓

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熱により収縮し、亀裂が入り、剥落したのでしょう。
当然、剥落が多くなればなるほど壁も薄くなりますし、場所によってはかかる負荷が増大するわけで、そのため窯の崩落の一因になったのではないかと考えられます。

また、剥落した土の状態を見ての印象としても材質的に弱いのではないかという印象を受けました。
実験の打ち合わせの時に、わずかに発掘されている古窯の内壁であろうと考えられている発掘品を見せてもらったことがあります。
そのときのイメージとしては、それは陶器に近いものでした。

今回、剥落した土を見て思ったのは、まず脆いといこと。
かなりポロポロで、ホント弱そうでした。
もちろん今回は150℃くらいまでしか室内の温度は上がっていませんし、焼成作業により1000℃前後まで温度が上がった場合陶器に近いような状態になるのかもしれませんが、とりあえず今回はそんな印象を受けました。

そして、もう1つ感じたのは軽いということ。
発掘品も陶芸家の方によると、通常焼き物に使う粘土を焼いたものよりは少し軽いのではないかとのことでしたが、今回剥落した部位は異様に軽かった気がしました。
写真で手に持っている部位よりもっと乾燥が進んでいるカケラでは、まるで軽石のようなイメージ。

これらのことから感じるのは、かなり砂の割合が多すぎたのではないかということ。
単純に考えると、もっと粘土比率が高くて、焼き締め、焼成作業終了時には陶器のようにカッチカチになっているような配合にすべきなのではないかなんて思ったりします。

とはいえ、純粋な粘土では収縮の度合いが高すぎて割れが大きくなりすぎるとか。
そういう意味でも、配合と共に考えなければならないことは材料自体について。
もともと今回使用した砂は、陶芸家さんによると今回の実験にはやや不向きであるとのこと。
もっと収縮の少ない砂を探していたのですが、実験までには見付からず、まあ、妥協したカタチ。

今回の実験は炭焼きの窯を参考にしているのですが、炭焼きの窯では焼き土を使用しているとのこと。
それは収縮が少なく窯の材料に最適だかららしいです。
そういうことから考えても、材料のチョイスはかなり重要なことなのかもしれません。

材料で言えば、ちょっと気になっているのはスサについて。
スサは今回1~5cmくらいに裁断した藁を使用しました。
発掘品にもスサが入っている形跡が見られるため入れていますが、実際のところどういう目的、効果があって入れられているのか参加者の中でもイマイチ把握できておらず、ただ漠然と入れているカタチでした。
よってその配合量も適当ですし、作業した日によってまちまちだった気がします。
しかし、入れるからには、その目的を把握し、また、多くするのか少なくするのか一番いい配合量を考えなければなかったのではないかなんて思ったりもします。
まあ、今考えるとですけどね。

後、剥落した内壁の写真を見て思ったのは、2層に分けて壁を盛ったのはどうだったのかなということ。
これは材質とかってことからは外れるのかもしれませんが、乾燥の度合いの違う層をいくつも作るのは亀裂や剥落の原因になるのではないかと思うので。
参加者の数や作業できる日程が限られているため、ある程度層になってしまうのは仕方ないのですが、このへんもちょっと考えたほうがいいかもしれません?


実験の失敗の要因についての考察④ 方法

失敗の原因? ③方法

まあ、方法なんて言っちゃうと身も蓋もない感じになっちゃいますが、やはり、根本的に無理があったということも十分に考えられます。

実験は、大まかに言うと
①製材切端で窯型を作る
    ↓
②窯型に土を盛り窯を作る
    ↓
③中の材木を燃やし窯を焼き固める
    ↓
④焼成実験
というものでした。

結果、③の段階で崩落したわけですが、この窯型に使った材木を燃やし焼き固めるという方法に問題があったのではないかと考えられます。
というのは、実は今回の崩落の1番の要因は水蒸気ではないかと考えられるからです。

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↑写真で見てもわかるように、ビックリするくらいの水分を含んだ煙が出ています。
正直、作業中は実験がうまく進んでいる証くらいに思ってたんですが…。
わかり辛いですが、3枚目の写真にあるように窯尻のほうにカバーをかけたりしています。
これは、雨避けの屋根に当たった水蒸気が水になって滴り落ちるためそれを防護するためです。
また、排煙口も直接水蒸気にさらされているため緩んできていました。

つまり、中の材木を燃やした結果、大量の水蒸気が出てしまったため、焼き固めるどころか逆に水分を含んで緩んでしまったのではないかと考えられます。
これは崩落箇所の状況を見てもかなり可能性が高いと思われます。
崩落したのは窯の中央よりやや手前であり、これはちょうど積んだ切端が焼けて減っているところ。
その前方の窯口付近は、剥落は見られるものの崩落はしていません。
これは、煙が上に流れていっているためでしょう。
前方は乾燥したものの、水蒸気により窯の中ほどから後方が緩み、緩んだ部分で窯型の材木が焼けて減った所が落ちたカタチ。

正直、乾燥が進み過ぎて割れ落ちるとう可能性はあるとは思っていましたが、逆に水分により窯が軟化するということは全く考えていませんでした。
実験の指揮を執っていた学芸員さんも、ある程度水蒸気が出ることは想定していたとのことでしたが、それにより急激な乾燥が抑えられ、逆にいい感じになると思っていたそうです。

そんなわけで、方法として無理があったという可能性けっこう高いです。


実験の失敗の要因についての考察⑤ 一番の要因は?

形状・材質・方法と今回の実験の失敗の原因と考えられることを書いてみました。
まあ、だいたいそんなところだろうと思っています。
おそらくその中で1番可能性として高いと考えられるのは “方法” ですね。
崩落した箇所や状況を考えると、やはり水蒸気により窯の壁が軟化し、結果窯体を維持できなくなったと考えるのが自然でしょう。

他の2つの要因の可能性が低いと思うのは次の理由から。

まず、形状が原因ということならば、崩落箇所はもっと手前でもよかったのではないかと思われます。
窯の形状は焚き口から徐々に広くなり、その後は同じ幅で、排煙口近くがちょっと狭くなっているカタチ。
当然、横幅が広くなっている部位が天井部分が壊れやすいでしょう。
崩落した箇所も横幅が広い場所ですが、広い場所はもっと手前から始まっているので、形状が原因ならもっと手前が落ちていてもおかしくないのではと考えられます。
もちろん崩落箇所が形としていびつになっていたということも考えられますが。

次に、材質に問題があった場合ですが、こちらもそれが原因ならば、もっと手前が崩落しなくてはならなかったのではと思われます。
確かに崩落した箇所は剥落が激しく、薄くなっていましたが、最初から直接火が当たっていた手前のほうではなく、その後方が崩れたのは、材質の問題よりは水分が原因だったという何よりの証拠なのではないかと思うのです。

まあ、この考えもあくまでも私の推察にすぎず、何ら証明できるものではありません。
実際はいろんな原因が複合してたり、その他の要素もあるのかもしれませんが、現段階では、やはりやり方に無理があったのではないか? そう思います。


次回改善点についての考察・炭窯との対比①

今回の実験は残念ながら失敗に終わりましたが、来春再び行う予定です。
現在窯のほうは補修されていますが、そのまま直しただけなので何らかの改善が必要でしょう。
それで次回成功のために改善すべき点を考えてみたいと思います。
厳密には私は実験方法を決める立場には全然ないんですが、まあ、一応。

先日 “実験の失敗の要因についての考察” で、 「失敗の原因として一番可能性が高いのは方法だ」 なんて身も蓋もないことを書いてしまいましたが、実はけっこう手応えあったりしています。
ある程度何か改善すれば成功できるのではないかという感じで。
もちろんそのまま同じことをすれば、同じパターンで失敗しちゃうでしょうが、改善の余地アリです。

今回の実験は炭窯の作り方を参考にしているということは何度も書きましたが、実際実験のベースは炭窯の作り方にありますので、今回は炭窯の作り方と今回の実験と対比しながら改善すべき点について考えてみたいと思います。
炭窯の作り方については、ネットで検索してたまたま見つけたページを参考にしてみたいと思います。
炭窯の作り方についてはホントはよく知りませんので(笑)。

そのページは、リンクにも入れましたが 『かわ遊び・やま遊びのページ』 というサイトの “◎ 炭窯の作り方” というページです。
こちらのページは、窯のサイズや材料、そして作業手順など写真を交えながら、端的に実にわかりやすく炭窯の作り方が説明されています。

今回は、こちらのページを参考にしながら炭窯の作り方と今回の実験を対比していきますので、ぜひこちらのページも見ながら読んでいただくとわかりやすいかと思います。
ちなみに、対比していく上でこれまで書いてきたことと内容が重複するかもしれませんが、ご諒承ください。


次回改善点についての考察・炭窯との対比② 作業期間

実験で作製した 『鉢ヶ崎1号窯』 とそのベースになった炭窯の作り方を対比しながら、その違いと改善点を考えてみます。
なお、炭窯の作り方はHP 『かわ遊び・やま遊びのページ』 様の 『◎ 炭窯の作り方』 というページで紹介されている作り方を比較の対象にしています。
(こちらは大正式改良型という現代的に進化した炭窯らしく、昔々の炭窯とは少々違うのかもしれませんが)
まあ、こちらの作り方を直接参考に実験が行われたわけではありませんが、めっちゃわかりやすいので。
そういうわけで、こちらのページを見ながら読んでいただくとわかりやすいかと思います。

■作業期間
参考の炭窯では、予定地の準備含め、わずか1週間で窯を完成させています。
一方 『鉢ヶ崎1号窯』 では2ヶ月ほどかかってしまいました。
『鉢ヶ崎1号窯』 でも予定では実働1週間~10日の予定でしたが、全く予定通りにいきませんでした。
当初のタイムスケジュールは素人目に見ても無理があると思いましたが、ベースにある炭窯の作業期間がこれくらいであるということを考えると、予定のタイムスケジュールにも少し納得です。

作業時間が予定よりかかってしまった要因は、1つに仕事量の見誤りがあったからでしょう。
もちろん炭窯も色々な大きさのものがあるのでしょうから一概には言えませんが、参考の炭窯クラスで1週間かかるのであれば、長さが2.5倍ある今回の窯では単純計算で2.5倍かかることが考えられます。
その上、炭窯が地下式なのに対し、 『鉢ヶ崎1号窯』 は地上式であるので、側壁を築く分だけ余計に労力がいりましたしね。

もう1つの遅れの原因は、人手不足。
参考の炭窯では写真を見る限り、毎日全員が参加していたかどうかはわかりませんが、参加人数は10人ほど。
一方我々のほうは平均2~4人と少なく、当然1日にできる仕事の量も限られるわけで、遅れの大きな要因の1つです。
最初の打ち合わせの段階では10人くらいはいただけに、ちょっと誤算は誤算だったようですが。

まあ、遅れについてはやってみないとわからないこともありますし、参加者もそれぞれ都合もありますので今さら言っても仕方ありません。
ただ、ここで考えたいのは、作業期間が長引くのはどうかということ。
特に窯体を築いて行く作業が長期間に亘ってしまったり、作業日が何日も空いてしまうのは良くないのではないかと感じます。

今回焼き締め時に、内壁に大量の剥落が見られました。
これが今回の崩落の直接の原因ではないとは思います。
しかし、焼き締めの継続や焼成実験を考えると、これはかなり大きな不安要素であるでしょう。
この剥落の原因が、材質だけでなく、作業期間の長期化にもあるのではないかと考えられます。
作業期間が長期化したり、作業日が空いたりすることによって乾燥の度合いが違ったり、材質の違いが出たりして、それが剥落の原因の1つになるのではないかと思うのです。

とはいえ、参加者は皆普通に仕事をしており、実際問題1~2週間もかかりっきりで作業ができないのも事実です。
そんな中、出来る限り、いかに素早く作業を進めるか、いかに多くの人に参加していただくか考えるのも必要なことかもしれません。

●改善しなければならないかもしれないポイント①
作業期間の短縮、及び、参加者を増やすこと。

まあ、そんなに簡単にできれば苦労はないんですけどね(笑)。


次回改善点についての考察・炭窯との対比③ 形状①

実験で作製した 『鉢ヶ崎1号窯』 とそのベースになった炭窯の作り方を対比しながら、その違いと改善点を考えてみます。
なお、炭窯の作り方はHP 『かわ遊び・やま遊びのページ』 様の 『◎ 炭窯の作り方』 というページで紹介されている作り方を比較の対象にしています。
(こちらは大正式改良型という現代的に進化した炭窯らしく、昔々の炭窯とは少々違うのかもしれませんが)
まあ、こちらの作り方を直接参考に実験が行われたわけではありませんが、めっちゃわかりやすいので。
そういうわけで、こちらのページを見ながら読んでいただくとわかりやすいかと思います。

■形状①
形状にについては、違うというのはこれはもう仕方のないことですが、ここに今回の実験の失敗の大きな要因があると思いますので考えてみたいと思います。

参考の炭窯では、軽量ブロックで壁は作っていますが、基本地下式で天井部分のみアーチ状に貼られています。
これは我々の住む地方の炭窯の話を聞いても同様の形であったと聞きますし、かなりオーソドックスな形状ではないかと思います。
一方 『鉢ヶ崎1号窯』 は地上式で、側面から天井までほぼ全て土で形成されています。
これは、今回の実験の目的が珠洲焼の古窯の復元ということであり、実際発掘されている窯跡の形状を基に推測される窯を作っているカタチです。
ちなみに、 『鉢ヶ崎1号窯』 は、現在発掘済みの珠洲古窯の中で最小クラスの 『寺家クロバタケ3号窯』 をモデルにしています。

実際、土器作りの窯でも地下式、半地下式というスタイルのものも多く見られるそうですが、復元しようとしている窯が地上式のものであり、炭窯を参考にしているからといって、その形式を変えるわけにはいきません。
今回は、側面の壁を厚くし、地下式と同じような強固な土台の上に天井を貼ってるカタチにして、理論上炭窯と同じ形状にしてるとのこと。

これについては、とりあえず素人の私としては十分納得の理論なのですが、陶芸家なんかの話によると不安要素もあるようです。
土は乾燥時にはかなり収縮しますが、焼成実験時のように高温になると逆に膨張するとのこと。
それにより天井部が崩落する危険性があると危惧されていましたが、残念ながらそこまでたどり着けませんでした。
最下部で50cm以上の壁面が作られており、大丈夫だと私は思うのですが実際どうなるかは次回楽しみです。

まあ、このスタイルについては変えるわけにいきませんし、壁の厚さについては出たとこ勝負ですね(笑)。


次回改善点についての考察・炭窯との対比④ 形状②

実験で作製した 『鉢ヶ崎1号窯』 とそのベースになった炭窯の作り方を対比しながら、その違いと改善点を考えてみます。
なお、炭窯の作り方はHP 『かわ遊び・やま遊びのページ』 様の 『◎ 炭窯の作り方』 というページで紹介されている作り方を比較の対象にしています。
(こちらは大正式改良型という現代的に進化した炭窯らしく、昔々の炭窯とは少々違うのかもしれませんが)
まあ、こちらの作り方を直接参考に実験が行われたわけではありませんが、めっちゃわかりやすいので。
そういうわけで、こちらのページを見ながら読んでいただくとわかりやすいかと思います。

■形状②
大きさについて考えます。
参考の炭窯が約2×3mの大きさ。
大きいものではどれくらいあるのかはわかりませんが、恐らくこれが平均的な大きさなのではないかと思われます。
『鉢ヶ崎1号窯』 のほうは約2×7.5m(焼成室内)。
横幅は同じで縦に長い形ですね。

実はこの長さの違いが致命的なのかななんて思ったりします。
実際イメージすると、今回の実験でも窯の長さが3mだったなら崩落はなかったんじゃないかなと思いますし。
奥行きが長くなることによって窯型を作った製材切端の量も増え、焼き締め時に排出される水分の量も増えるわけで、それがネックになるなるような気がします。

加えて言えば、傾斜と排煙口の位置。
参考の炭窯は床面がほぼ水平ですが(実際には3%ほどつけているとのこと)、『鉢ヶ崎1号窯』 のほうは約12度の傾斜がついてます。
傾斜がつくことによって、後方に行くほど水分の影響がでてしまうのではないかと考えられます。
排煙口の位置もそれに関連してきますが、参考の炭窯では窯の1番奥の1番下から煙が出るように設けられています。
なぜ上の方ではなく下のほうなのか?
よくはわかりませんが、恐らく中の空気の流れ上その位置が大事なんでしょう。
傾斜がつくと排煙口が1番奥の1番下につけられていても窯全体としては上のほうにあるカタチになるわけで、結果空気の流れがそこに集中し、やはり奥へ行くほど水分の影響が出てしまうのではないでしょうか。
まあ、あくまでも想像ですけど。

大きさや傾斜は、その形の窯を復元したいのですから変更はできません。
先に書いたとおり今回の実験のモデルとなる 『寺家クロバタケ3号窯』 は珠洲古窯の中でも小さい部類に入りますし、この大きさでやり方に無理があるとすれば、もっと大きな窯では全く通用しないわけで、そうすると窯型を焼いて乾燥を行う炭窯の作り方をそのまま採用するのは間違いなのかもしれません。
また傾斜に関しても、焼き物の窯では傾斜がついているのは一般的なことであり、むしろ12度という角度は緩すぎるくらいなので、このへんのことを考えると、やはり炭窯方式そのままでは厳しい気がします。

●改善しなければならないかもしれないポイント②
炭窯の作り方をそのまま採用するのは無理なのでは?
どこかを変えないと…。

ちょっと改善点と言うにはあやふやな感じですみません(汗)。


次回改善点についての考察・炭窯との対比⑤ 材質

実験で作製した 『鉢ヶ崎1号窯』 とそのベースになった炭窯の作り方を対比しながら、その違いと改善点を考えてみます。
なお、炭窯の作り方はHP 『かわ遊び・やま遊びのページ』 様の 『◎ 炭窯の作り方』 というページで紹介されている作り方を比較の対象にしています。
(こちらは大正式改良型という現代的に進化した炭窯らしく、昔々の炭窯とは少々違うのかもしれませんが)
まあ、こちらの作り方を直接参考に実験が行われたわけではありませんが、めっちゃわかりやすいので。
そういうわけで、こちらのページを見ながら読んでいただくとわかりやすいかと思います。

■材質
参考の炭窯の場合壁面は基本地下なので、天井部のみ参考にします。
その配合は軽石、焼土、セメントを6:1:1を混ぜているとのこと。
これは収縮率、耐久度、耐熱度を考えてたどりついた配合なんでしょう。

対して 『鉢ヶ崎1号窯』 は、粘土と砂とスサを混ぜています。
それとほんのちょっと焼土を混ぜてます。
混合の比率は実際のところはっきりわかりません。
というのは、粘土は廃業した瓦工場の焼いていない瓦を溶かして使用しているのですが、その瓦にも既に砂が混ぜられており、その配合率がわからないため、実質どれくらい粘土が入ってるのか不明なんです。
スサも全体のパーセントでいうと全く微々たるものですし、ほぼ9割方砂なんじゃないかというのが実感です。

炭窯を参考にしていながら、これだけ材質に違いがあるのでは同様の結果を期待するのは難しいかもしれませんね。
しかし、今回は古窯の復元が目的ですから、参考の炭窯と同じ材料にするわけにはいきません。
中世の時代に珠洲で入手できたであろう材料で作らなければならないわけで、そのへん難しいです。

とはいえ、今回の実験では壁の剥落がかなり多かったですし、焼成実験ではもっともっと温度が上昇することを考えると、やはりこのままの材料、配合ではかなり厳しいのではないかと思います。
発掘された壁だったとおぼしき部位が陶器に近い質感だったことを考えても、もっと粘土比率を高めるとか、砂も陶芸家さんが言ってるようなもっと実験に適したものを見つけてくる必要があるのではないでしょうか。
いずれにしろもう少し材質の吟味が必要でしょう。

●改善しなければならないかもしれないポイント③
材料の変更や配合の比率を変えることも視野に入れながら、もう1度材質の吟味を。

まあ、予算の関係であまりお金のかかることは出来ないのは苦しいところですが…(涙)。


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